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【世界陸上2017ロンドン】あの日のブーイングを考える

【世界陸上2017ロンドン】
あの日のブーイングを考える

【世界陸上2017ロンドン】あの日のブーイングを考えるこんにちは、スポーツライターのENOKI(@enoki0520)です。

世界陸上2017ロンドン大会が終わりました。
夜更かしまたは早起きの日々から、日常生活に戻った人も多いのではないでしょうか。

今回はちょっと趣旨を変えて、ブログらしく自由に私見を述べてみたいと思います。
これはあくまでも初回執筆時の2017年8月14日現在の考えであり、リライトをしても内容は変わりません。

最初から男子100mは黄信号だった!?

最初から男子100mは黄信号だった!?日本時間で8月6日朝5時50分。

世界中が固唾を飲んで10秒間の戦いを見守りました。

誰にでもわかりやすい『人類最速』を決めるレースの注目度はかねてから高かったですが、今回はその『人類最速』の伝説を築き上げてきたウサイン・ボルト(ジャマイカ)の現役最後の大会で、個人種目最後のレースということもあり、注目度は桁違い。
男子100mの予選がある初日、準決勝と決勝がある2日目のチケットは即日完売(初日は地元の英雄モハメド・ファラーが出場した男子10000m決勝があったことも加味されます)。

初日の予選は10秒07とはいえ、6組トップ通過。
準決勝では9秒98で9秒台に乗せたものの、決勝でボルトに先着して銀メダルを獲得することになるクリスチャン・コールマン(アメリカ)と0.01秒差の組2位での通過でした。

ここまでに、ボルトが敗れる予兆がなかったわけではありません。
このブログで2日目の見どころを紹介したとき、ボルトの過去の傾向を調べました。

【世界陸上2017ロンドン】day2見どころ
【世界陸上2017ロンドン】day2見どころ こんにちは、スポーツライターのENOKI(@enoki0520)です。 昨日ついに開幕した世界陸上2017ロンドン大会。 ウサイン・ボルト(ジャマイカ)の100mラストランはもちろん、日本人選手3人が全員準決勝進出という初の快挙で、注目はがぜん男子100mに集中しています。 ※この記事は「テレビで放送していたらチャンネルを合わせて、日本代表がいたらとりあえず応援する」くらいの方に向けた見どこ…

この記事ではボルトが優勝する傾向として、以下の2つを挙げました。

  • 準決勝で9秒台を出す(フライングで失格になった2011大邱大会の準決勝は、偶然なのか10秒台だった)
  • シーズンベストを決勝でマークして優勝

決勝のことはわからないものの、実際ボルトはロンドンの地で9秒台をマークしたため、問題はないように見えます。
しかし、過去のボルトの実績はすべて『組トップ通過』によるものだったんです。
過去の記事でもそのことには軽く触れたものの、必勝パターンには入れませんでした。

過去の統計でしかないことはわかっていたし、これですら後出しだということもわかっています。
ですが、準決勝では9秒台をマークしながらも余裕の表情で後半を流し、組トップ通過を決めるボルトはロンドンにいませんでした。
準決勝を観たあと、わたしの中ではこの部分が妙に引っ掛かっていました。

そして迎えた決勝。
ボルトの隣を走るコールマンが前半で飛び出し、得意の後半でボルトが猛追するかと思いきや、ボルトは伸びません。
コールマンとボルトの争いに注目が集まる隙に、外側からやってきたジャスティン・ガトリンが2人まとめて抜き去って悲願の金メダル。
ざっと展開をまとめると、こんなところでしょうか。

問題はこの直後でした。
ガトリンに対して、観客からのブーイングが飛び交いました。
その理由はただひとつ、過去2回のドーピング。

ドーピングと競技復帰

ドーピングと競技復帰先に明言しておきますが、筆者は決してドーピング擁護派をする気はありません。
ただ、IAAF(国際陸上競技連盟)が定めた期間を経て大舞台に復帰しているということは、IAAFとして「祓は済んだ」という見解を示したと解釈することもできます。
ドーピングをいかなる理由でも許さないとするのであれば、ボルトが今大会後に提唱したように、一度のドーピングで永久追放すればいいだけの話。
それをせずに過ちを犯した選手を再び、三度受け入れると決めたのはIAAF側です。
それなのに、IAAF会長のセバスチャン・コー氏がガトリンの優勝を「好ましくない」と言い切ってしまうのもどうか、と個人的には思います。

彼自身がかつて中距離選手として活躍していたこともあり、元選手として許せなかったというのはわかります。
わかりますが、あれは個人の見解であってIAAF会長としての、IAAFを代表する立場としての発言としてはどうだったんだろうと疑問が残ります。

今後IAAFとして、昨年のロシアのことも踏まえたアンチ・ドーピングへの大改革に踏み切るのであれば、今回の発言は問題ないと思います。
だが、いくらドーピングの過去があったとしても、一選手の優勝という事実は同じ。
ドーピングの経歴のないクリーンな勝利が一番なのは当たり前で、それをずっと貫き通した選手の引退試合でボルトの勝者を見たかったというのもまた当たり前。

ドーピングに関してガトリンを擁護するつもりはありません。
でも、200mでは18歳がファイナリストになるなど、世代交代の波が押し寄せている短距離界において、35歳のガトリンが世界のトップで戦うことが簡単ではないのは小学生でもわかります。

年齢だけなら土俵から弾き飛ばされる筆頭のはず。
それでも世界中が注目する大舞台で一番になりました。
それだけの練習やコンディションをキープするためのトレーニングを積んでいれば、あの100mの試合後の涙も当然。
それに対して「ドーピングした人に泣く資格はない」と言うのも筋違いでしょう。

ボルト本人も優勝できればそれが一番でしたが、それができなかったとしても、もっと晴れやかな気持ちで終わりたかったでしょう。

このブーイング問題で後味の悪い試合になってしまったことは否めません。
過去のこととは切り離して、素直に「ガトリンおめでとう」でよかったのではないでしょうか。

ガトリンは「息子が東京五輪に行きたがっている」と言い、38歳での五輪出場も視野に入れています。
38歳ともなれば決勝進出はおろか、ただでさえ国内の争いが激しいアメリカで代表の座をつかむことすら困難です。
しかし、日本でも数年前まで、ハンマー投の室伏広治が歳を重ねることを受け入れながらも世界トップクラスで戦いを続けてきました。

3年後の東京にガトリンがいるかはわかりません。
わたしは彼のこれからの自分自身との戦いにも注目し続けたいです。

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